祝日の意味を小学生でもわかるようにまとめてみました
毎年決まった日にやってくる祝日。
学校やお仕事が休みになることもあって、来るのが待ち遠しい日でもあります。
そんな祝日ですが、そもそもどうして祝日として決められているんでしょう?
実は小学生の子どもに尋ねられたことがあったのですが、よくわからず答えられませんでした。(^^;;
この記事にたどり着いた方は、同じ疑問をもたれたか、似たような経験をされた方かと思います。
この記事では、そんな祝日の意味について、小学生でもわかるように、わかりやすくまとめてあります。
ぜひチェックしてみてくださいね!
Contents
日本の祝日(国民の祝日)
日本の祝日は正しくは「国民の祝日」といいます。
国民の祝日は、法律で定められていて、その日は休日になると決まっています。
ではその国民の祝日にはどんな日があるんでしょうか?
国民の祝日の一覧
国民の祝日の名前と、祝日がある日について一覧にしてみました。
No | 月 | 祝日の名前 | 祝日がある日 |
1 | 1月 | 元日 | 1月1日 |
2 | 1月 | 成人の日 | 1月の第二月曜日 |
3 | 2月 | 建国記念の日 | 2月11日 |
4 | 2月 | 天皇誕生日 | 2月23日 |
5 | 3月 | 春分の日 | 春分日 (3月20日または3月21日) |
6 | 4月 | 昭和の日 | 4月29日 |
7 | 5月 | 憲法記念日 | 5月3日 |
8 | 5月 | みどりの日 | 5月4日 |
9 | 5月 | こどもの日 | 5月5日 |
ー | 6月 | ありません | ー |
10 | 7月 | 海の日 | 7月の第三月曜日 |
11 | 8月 | 山の日 | 8月11日 |
12 | 9月 | 敬老の日 | 9月の第三月曜日 |
13 | 9月 | 秋分の日 | 秋分日 |
14 | 10月 | スポーツの日 (元体育の日) |
10月の第二月曜日 |
15 | 11月 | 文化の日 | 11月3日 |
16 | 11月 | 勤労感謝の日 | 11月23日 |
ー | 12月 | ありません | ー |
祝日の数
国民の祝日の数は、全部で16日です。
先にまとめた表のNoを付けてみたので、確認してみてくださいね。
祝日がない月
祝日がない月は2つ。「6月」と「12月」です。
2018年(平成30年)までは「12月23日」が天皇誕生日だったので、祝日がない月は「6月」だけでした。
平成の天皇が退位され、新しく令和の天皇が即位されたことで、天皇誕生日は「2月(2月23日)」に移動。
2019年からは「12月」も祝日がない月となりました。
国民の祝日の意味
祝日は「祝う日」というだけあって、何らかのお祝いをする日という位置付けのはず。
では、どういった意味があるんでしょうか。
まずここでは法律で定められている意味をまとめてみます。
祝日の意味
祝日の意味は法律には次のように書かれています。
No | 祝日 | 祝日の意味 |
1 | 元日 | 年の初めを祝う |
2 | 成人の日 | おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます |
3 | 建国記念の日 | 建国をしのび、国を愛する心を養う |
4 | 天皇誕生日 | 天皇の誕生日を祝う |
5 | 春分の日 | 自然をたたえ、生物をいつくしむ |
6 | 昭和の日 | 激動の日々を経て、復興と遂げた昭和の時代を顧み、国の将来に思いをいたす |
7 | 憲法記念日 | 日本国憲法の施行を記念し、国の成長を期する |
8 | みどりの日 | 自然に親しむとともにその恩恵に感謝し、豊かな心をはぐくむ |
9 | こどもの日 | こどもの人格を重んじ、こどもの幸福をはかるとともに、母に感謝する |
10 | 海の日 | 海の恩恵に感謝するとともに、海洋国日本の繁栄を願う |
11 | 山の日 | 山に親しむ機会を得て、山の恩恵に感謝する |
12 | 敬老の日 | 多年にわたり社会につくしてきた老人を敬愛し、長寿を祝う |
13 | 秋分の日 | 祖先をうやまい、なくなった人々をしのぶ |
14 | スポーツの日 (元体育の日) |
スポーツを楽しみ、他者を尊重する精神を培うとともに、健康で活力ある社会の実現を願う |
15 | 文化の日 | 自由と平和を愛し、文化をすすめる |
16 | 勤労感謝の日 | 勤労をたっとび(尊び)、生産を祝い、国民互いに感謝しあう |
なるほどと思えるものもあれば、どうしてその日なんだろう、と思えるものもありますね。
小学生が理解するにはちょっと難しい言葉も。
そこで由来や背景を、もう少し詳しくわかりやすくまとめてみました。
元日
「年の初めを祝う」とあるように、新しい一年を無事に迎えることができたことに感謝、お祝いする日です。
成人の日
昔、男の子が11歳〜17歳を迎えると成人(大人)になるとされていた時代の話。
この歳を迎えると「元服(げんぷく)」と呼ばれる儀式を行っていました。
成人の日は、この元服の儀式をもとにして制定されています。
元服の儀式は、新年最初の満月に行うという風習があり、これを今のカレンダーに合わせて、1月のこの時期に行っています。
建国記念の日
日本の建国を祝う日として制定されていますが、実際の建国日ははっきりしていません。
この日にした由来は、日本の建国を神話化した古事記や日本書紀という書物に書かれています。
この書物には初代天皇とされている神武天皇が登場します。
神武天皇が即位した日がこの2月11日とされていて、これが建国記念の日の由来です。
日本書紀には日本が建国された時期についても書かれていて、何と紀元前660年だとか!
2020年現在では日本は2,680年続く国家ということで、世界一長く続いている国家とも言われています。
天皇誕生日
天皇陛下の誕生日をお祝いする日です。
2019年に新しい天皇陛下が即位され、天皇誕生日が12月23日から2月23日に変わりました。
2019年は天皇誕生日がなかったという、珍しい年でもありました。
春分の日
春分の日由来
冬から春へと気候も変わっていくタイミング。
冬眠していた生き物や、植物が活動を始める時期でもあり、いのちそのものを感じられる季節ですね。
そして春のお彼岸の中日でもあります。
お彼岸といえば、御先祖さまに供養したり、感謝したりしますよね。
自然をたたえ、生物をいつくしむ」というのは、自然や生物に感謝の気持ちを持つこと、と言っても良いかと思います。
元々は皇室の行事「春季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」からきています。
宮中で祖先をおまつりする行事で、今でも行われています。
春分の日の決め方
法律では、天文観測による春分が起こる「春分日」をもとにして制定される日とされていて、日付を指定していません。
「春分日とは」、カンタンにいうと「太陽が真東から上ってくる春の日」となります。
この「太陽が真東から上ってくる春の日」が毎年同じ日とは限らないんですね。
そこで「春分日」を決めている国立天文台が作成する暦をもとにして、前の年の2月に春分の日を決定しています。
昭和の日
この日は、大きな戦争から経済的復興を遂げた昭和の時代を覚えておこう、という意味が込められています。
今戦争もなく平和に暮らしていられるのも、昭和の時代の復興があってこそ。それを忘れないでおきたいものです。
元々この日は昭和天皇の誕生日。
その後2回も名称が変わっている珍しい祝日です。
昭和天皇が崩御(お亡くなりになり)されたあとは、天皇誕生日が平成天皇の誕生日になるためなくなる予定でした。
しかしこの日はゴールデンウィークの一部として国民の生活に根付いていることもあり、なくなることによる影響が考慮され、改めて「みどりの日」として制定されます。
その後、元々平日だった5月4日を祝日にして5月3日〜5日を連休とするために「みどりの日」をそちらへ移動。
4月29日を改めて「昭和の日」と制定しています。
憲法記念日
昭和21年(1946年)5月3日、現在の日本国憲法が施行(カンタンにいうと使われるようになった)されました。
そのことを記念した祝日です。
みどりの日
みどりの日があった元々あったのが昭和天皇の誕生日。
昭和天皇が植物にとても興味を持っていて、自然を愛していたことを基にして制定されています。
元々は祝日ではなかった5月4日。
この前後の5月3日と5月5日が祝日ということで、飛び石連休(間に平日を挟んで、その両側に連休があること)の基になっていました。
これを解消するため、一時期は「国民の休日」として祝日ではない休日となっていました。
その後、4月29日を昭和の日とするのと同時に、みどりの日をこの日に移動。
晴れて祝日となった日です。
こどもの日
元々の由来は「端午の節句(たんごのせっく)」という男の子の成長をお祝いする日からきています。
これを基にして、こどもみんなの成長をお祝いする日にしたのが、こどもの日です。
そして、子供を産んでくれた母親に感謝する日でもあります。
海の日
明治天皇が明治9年(1876年)に初めて船の海の旅にでられ、横浜に戻ってきた日で、元は祝日ではなく「海の記念日」と呼ばれていました。
また、日本は周りを海に囲まれた国であり、その海があったから日本という国が栄えてきたという側面もあります。
これらを基にして、海に感謝の気持ちをもち、これから先も日本が栄えていくことを願うために制定された日です。
山の日
他の祝日のように、何らかの出来事を基にして(海の日なら海に関する出来事)制定されたものではない、ある意味珍しい祝日です。
由来は「人間は海だけでなく山からも恩恵を受けて生きているから、海の日だけでなく山の日も制定しよう」という活動によるもの、でした。
この活動により祝日がなかった8月に祝日が制定され、祝日がない月は6月と12月だけになりました。
敬老の日
この日が敬老の日となった理由としては諸説ありますが、有名な説として聖徳太子が関係しています。
聖徳太子がこの日、身寄りのない老人や病人のための養護施設をつくったと言われています。
長年にわたって社会を支えてくれた年配の方々に感謝の気持ち伝える日、として定められたようです。
ちなみに今は「敬老の日」ですが、過去には「としよりの日」「老人の日」と呼ばれていたこともあります。
語呂が悪いなど、世間的に評価がいまいちだったこともあり、今の「敬老の日」に落ち着いています。
秋分の日
秋分の日由来
夏から秋へと気候も変わっていくタイミング。
春分の日と逆の状況ですが、まだ生き物や植物が冬眠するタイミングではないですね。(^^;;
なので秋分の日は、お彼岸に着目した祝日だといえます。
御先祖さまの供養をして、自分たちが今ここで生きていることを感謝する日です。
元々は皇室の行事「秋季皇霊祭(しゅんきこうれいさい)」からきています。
宮中で祖先をおまつりする行事で、今でも行われています。
秋分の日の決め方
法律では、天文観測による秋分が起こる「秋分日」をもとにして制定される日とされていて、日付を指定していません。
「秋分日」とはカンタンにいうと「太陽が真東から上ってくる秋の日」となります。
この「太陽が真東から上ってくる秋の日」が「春分日」と同様に、毎年同じ日とは限らないんですね。
そこで「秋分日」を決めている国立天文台が作成する暦をもとにして、前の年の2月に翌年の秋分の日を決定しています。
スポーツの日
日本で初めて開催された1964年の東京オリンピックの開会式が行われた日が10月10日でした。
これを記念して、10月10日を「体育の日」として祝日にしたのが始まりです。
平成30年に名称を「スポーツの日」に改められました。
2020年(令和2年)にも東京オリンピックがありますが、スポーツの日がオリンピックの開会式に合わせて制定されていたこともあり、この年だけ7月24日となります。
文化の日
この日は戦後1946年、新しく日本国憲法が制定された日です。
新しい憲法が「自由と平和」に基づいていることもあり、自由と平和を大切にした文化を国に広げていくために制定されています。
このため、この日は日本の文化の発展に功労のあった方々の表彰が行われています。
勤労感謝の日
11月23日は戦前、「新嘗祭(にいなめさい)」という農作物の恵に感謝するおまつりを行っていた日でした。
秋に収穫できたことを自然に感謝をささげる日、という意味合いですね。
これが戦後、収穫できるのは農作物だけでなく、様々な仕事にも言えることとして、「勤労」という言葉に置き換えられました。
ちなみに「新嘗祭」は現在も宮中で行われる行事の一つ。天皇がその年の収穫に感謝をささげるために行われています。
祝日以外の休日
「国民の祝日」以外にも平日が休日になる場合がありますよね。
これも法律で次のように定められています。
国民の祝日が日曜日にあたる時そのあと最も近い平日
いわゆる「振替休日」のことです。
ちなみに法律では次のように記されています。
「国民の祝日が日曜日にあたる時は、その日後に置いてその日に最も近い国民の祝日でない日を休日とする」
前日と翌日が国民の祝日に挟まれた平日
元々は「5月4日が国民の祝日になる前」に5月4日を休日にするために定められたものになります。
現在は5月4日は「国民の祝日」となっているので、適用されることはありません。
ただ2019年(平成31年)には特別な行事があったことで、この休日が適用された日があります。
平成31年の新天皇即位の日(5月1日)が祝日となったことで、4月30日と5月2日が当てはまることになりました。
このため2019年のゴールデンウィークは4月29日〜5月8日までの10連休という大型連休になったんですね。
また平成27年の「敬老の日」と「秋分の日」がこのケースにあたり、休日が適用されたことがあります。
「敬老の日」が9月第3週の月曜日ということで、一番遅い日「9月21日」でした。
そして「秋分の日」が「9月23日」だったため、間の「9月22日」がこの休日となったのでした。
なお、次回このケースに当たるのは2026年と言われています。(秋分の日が確定していないため)
祝日が移動するケース
ごくまれに祝日が、定められている日から変更されるケースがあります。
2020年の例で言うと「東京オリンピック」の開催に合わせて、2020年限定で次の祝日が移動します。
No | 月 | 祝日 | 元々の日 | 移動する日 |
10 | 7月 | 海の日 | 7月の第三月曜日 | 7月23日(開会式前日) |
11 | 8月 | 山の日 | 8月11日 | 8月10日(閉会式翌日) |
14 | 10月 | スポーツの日
(元体育の日) |
10月の第二月曜日 | 7月24日(開会式) |
まとめ
今回、国民の祝日について調べてみました。
祝日の名前から、何となく意味を理解していたつもりでしたが、実際に調べてみると過去の出来事や神話が絡んでいたりして、興味深いものでした。
子供にはわかりにくいこともあると思うので、少しでもわかりやすくしたつもりです。
我が家の小学6年生の子供に説明してみたところ、少しは理解してくれていたようです。(^^;;
よければ参考にしてみてください。