ハノンの練習方法で大事なポイントはコレ!おすすめの楽譜もご紹介

 

ハノンて、どんな効果がえられるんだろう?ただ弾ければ良いのかな?
練習する時に気を付けるポイントや、おすすめの楽譜について知りたいな。

 

ピアノの基礎練習の教本として有名なのが、『 ハノン 』。

この教本は、私もこれまで淡々と練習してきました。

が、ただ弾ければ良い、速く指が動けば良いというものではなかった事を後から知りました。

という訳で、この記事では、ハノンという楽譜についてや、ハノンを弾くとどんな効果があるのか?

また、私の体験談を交えて、練習する時のポイントや、入門から講師レベルの方に、おすすめの楽譜についてご紹介していきたいと思います。

 

ハノンを練習するということ

ピアノを弾く手

そもそもハノンって何なのか?また、練習するとどんな効果があるのかを簡単に見ておきましょう。

 

ハノンという教本について

「ハノン」というのは教本の名前ではなく、人の名前です。(ブルグミュラーやツェルニーというのも人の名前です)

ハノンはフランス人で、本当は「アノン」と発音しますが、日本では「ハノン」と呼ばれています。

この本は、テクニックを訓練することを目的として当時作られました。

 

ハノンで得られる効果

  1. 指が思い通りに動くようになる
  2. 速く動かせるようになる

このような効果を得る事ができるという事で、曲集などを弾く前に指のウォーミングアップとしてよく使われます。

また、それと同時に、弾く時に意識すると良いポイントがあります。

そのポイントについて、続いて紹介しますね!

 

ここが大事!練習する時のポイント

各曲に共通して言える練習する時のポイントは、大きく見て4つあると思います。

  1. それぞれの曲がどんな練習目的があるのかを把握して弾く
  2. 指や手の形、手首の位置などを意識して弾く
  3. 片手ずつ練習してから両手で練習してみる
  4. 汚い音にならないよう、自分の音をよく聞いて弾く音楽的な音を作るための基礎練習という意識を持って弾く

また、慣れてきたら、鍵盤を見ずに楽譜を見て弾く事で、音が飛んでいても、指の感覚で、鍵盤の位置を把握できるようになります。

では、それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。

 

それぞれの曲がどんな練習目的があるのかを把握して弾く

1つの曲の中には、メロディの中に音階の部分があったり、スタッカートで弾く所、音が大きく飛ぶところ、同音連打(同じ音を続けて弾く)、重音(同時に2音以上の音を弾く)など、様々な弾き方が出てきます。

ハノンの練習曲はその要素を1つずつに分解して、1つのテーマだけを集中して練習し、自分の思い通りの音を出せるようにしていく事が目的となります。

例えば、ハノンの練習曲の中でも最初に練習していく(であろう)練習曲について見てみましょう。

 

1~30番について

1~30番では、すべての指が均等にすばやく動くようにしていくのが目的です。

そもそも手の指って、1本1本長さも太さも違いますよね。それをピアノで弾く時には均等な音の大きさになるよう、粒をそろえて弾くのですから、難しいです。特に4指や5指といった、もともと力の弱い指も、1~30番の練習曲をすることでスムーズに動くようになります。

 

また、普通の曲では、音が「ドレミファソ」というように、順番に並んでいるとは限らず、音が飛んでいるところもあります。

ここでは、そんな音飛びでも、弾く直前にはちゃんと指が鍵盤に乗るようにしていきます。

 

音階(スケール)について

ある曲を弾こうとすると、必ずある調から出来ている事が分かりますよね。

「ドレミファソラシド」の音階から出来ているハ長調だったり、「ソラシドレミファ#ソ」の音階からなるト長調だったり。それぞれの調はそれぞれに適した指使いがあります。音階(スケール)や音階の最後に書いてある和音を弾けるようになる事で、曲のイメージがつかみやすくなったり、曲の中に音階や和音が出てきた時に自然な指使いが出来るようになります。

両手で弾く時は、右手と左手の指くぐりのタイミングが違うので、1音ずつ楽譜を見て、指番号を確認して弾いてみましょう。

音階練習では必ず「指くぐり」があるので、どこで指をくぐらせるのかを指に覚えてもらう事がポイントとなってきます。

くぐらせる指は3指か4指となり、3指をくぐらせたら、次にくぐらせるのは4指と言うように、順番になっています。

 

指や手の形、手首の位置などを意識して弾く

 

指の形は卵をつかむような形、つまり、全ての指の関節が外側に曲がるようにしましょう。

また、弾く時には指の付け根が山になるようにし、ここでしっかり弾いている指を支えるようにしましょう。(これが出来ると、芯のあるクリアな音が出るし、速く弾く時にもしっかりと指が動いてくれます)

 

アルペジオについて

アルペジオの練習を1例にしてみます。

アルペジオとは、和音を構成する音を1音ずつ下の音から弾いていくことです。

これは、3指から4指までで和音の音(例えば「ドミソ」なら「ド1指、ミ2指、ソ3指」)を弾くので、まだ初級段階の人や、手の小さい子供にはちょっと難しいです。

ある程度手が大きくなってきたら、指くぐりなどの時に手首の回転と同時に鍵盤のポジション移動をし、指ごえや指くぐりがなめらかになるように練習しましょう。

 

このように、音の並びやポイントになる音の動きに応じて、手首を回転させたり、音の大きさを変えたりしてみましょう。一見すると、単純な音の羅列にしか見えませんが、「ふつうの曲の中に、もしその音の並びがあったらどう弾きたいかな?」と考えて弾いてみると良いのではないでしょうか。

 

片手ずつ練習してから両手で練習してみる

これはすべての練習曲に共通する練習だと思います。

特に利き腕でない方の指や4指、5指などは、両手で弾くと弾けるのですが、片手にしてみると弾けてない場合が多いです。

両手練習では気付かない、片手での指の動きを、しっかりチェックする事ができます。

 

汚い音にならないよう、自分の音をよく聞いて弾く

私の体験談➡その当時は、あまりに指が動く事だけ(機械的な練習)に集中してしまい、自分の音を聴いてなかったので、普通の曲集を弾く時も固い音になってしまいました^^;。指の基礎練習とはいえ、ただ指が動けばいいやと思って弾いていると、普通の曲を弾く時にも、この機械的な弾き方になってしまうという事です。 

ハノンやツェルニーといった練習曲を弾く時でも、自分の音をよく聴いて弾く事が大事ということですね。

 

ここまで最初に学ぶ事になるであろう3つの練習曲について解説しました。

まずは1~20番や音階(スケール)をマスターすれば、初級の曲は大体弾けるようになると思います☆彡。

 

ハノンの楽譜でおすすめの教本について

それでは最後に数ある教本の中からおすすめの教本をご紹介したいと思います。

 

子供や生徒さんにおすすめの教本

 

新編こどものハノン 上 (田丸 信明 著)

 

数あるハノンの本を見ましたが、この本は音符が大きくて見やすく、内容もシンプルで分かりやすいです。

内容は1番~20番までの練習曲とそれぞれの曲のリズム練習、また、音階(スケール)練習では2オクターブで弾く練習をします。

 

渡部由記子メソッド2生徒用 魔法のピアノレッスン「ハノン」~耳とテクニックを育てる60曲~

この本は生徒さん用に大きな音符や字で書かれています。

各曲のポイントが生徒さん目線で、分かりやすく書かれていて、その曲の大事な所だけをピックアップして練習できるようになっています。

 

「ブルグミュラー」レベルの曲が弾ける人にお勧めの本

全訳ハノンピアノ教本 全音ピアノライブラリー

 

私もこの本を使って当時練習していました。

なかなか最後の曲までは難しくてたどり着かないかもしれませんが、自分の出来る範囲でトライしてみると良いと思います。

この教本の曲を制覇したら、上級の曲でも、たいていの曲は弾けると思います。

 

講師用としてお勧めの本

 

渡部由記子メソッド2 魔法のピアノレッスン「基礎指導編」~もっと効果が上がる! ハノンの使い方~

 

先ほどの生徒さん用の本では写真はありませんが、こちらは手の形や手首の位置などが分かる写真が掲載されています。

また、生徒さん用の本より、さらに詳しくポイントが書かれています。

私自身、この先生の講座を受けたり、本やDVDを見て、今まで自分がただ機械的に練習していたのとは全く違い、音楽的に弾くという点、それぞれの曲について、ただ速く弾くだけでなく、手首の動かし方や各曲のポイントを詳しく知る事が出来ました。

という訳で、この本はまずは教える講師側が知っておいた方が良い本だと思います。

 

まとめ

ハノンについては、先ほどお勧めの楽譜でご紹介した、渡部由紀子先生や、ピアニストの関本昌平さん、また、辻井信行さんをピアニストに育てた川上昌裕先生などの動画を見て私自身、ハノンの弾き方について研究しました。

ピアノの練習をする時、やはり、このハノンを弾いてから曲集を弾くのと、弾かずに曲集を弾くのでは指の動きが違います。

ハノンで、全ての指がしっかりスムーズに動くようになってから弾くと、ストレスなく、楽に動かすことが出来るので、まずはやってみてはいかがでしょうか。

すべては自分が表現したい音を創るために☆彡